医療略語は病院の中で使うだけでなく、医師の診療情報等にも書かれていますので、MSWは略語を知らないと、患者の症状を理解できません。ですから、MSW(医療ソーシャルワーカー)にとって、医療略語を覚えるのは重要な仕事です。退院に関わる後方支援に役立つ医療略語は「TKA」「THA」です。TKAは人口膝関節置換術、THAは人口股関節置換術のことです。MSWにとってのポイントは、TKAおよびTHAは術後2~3週間で退院すること。比較的早く退院するので、退院調整を早く書く必要があります。そのままリハビリ病院に転院する場合、回復期は90日算定です。身障手帳は申請可能です。

「IVH」もよく使用する略語です。意味は中心静脈栄養です。MSWは、後方支援の際に経口摂取へ回復する可能性があるか確認します。IVHのまま退院する場合は、退院先で医療が確保できるかも確認します。IVHの管理には看護師が必要です。「PEG」は胃ろうの略です。MSWは後方支援を行う際に、退院先で胃ろうの管理ができるか、退院先での注入回数の確認を行います。退院先が施設の場合、注入回数を減らすことがあるので、その確認もします。また、注入食の種類を食品タイプから医薬品タイプに移行するのかも確認します。「COPD」は慢性閉塞性肺疾患です。MSWにとってのポイントは、現在の酸素状況の確認です。酸素状況により退院調整が変わるからです。退院後にHOT(在宅酸素療法)が必要か確認します。HOTを入れる場合は、家族と業者に連携が取れているか見届けます。今後の指示を出す主治医も確認が必要です。